humble house hotels

聖女ウルスラへ捧ぐ

聖女ウルスラへ捧ぐⅢ

シェア

聖女ウルスラへ捧ぐ

《聖女ウルスラへ捧ぐ》はデジタルインクジェットプリント作品です。台湾藝術家の蔡佳葳(Tsai Charwei)氏がポンピドゥー・センターの主事に招待され、パリにある中世の教会内で創作したものです。この古い教会内には数多くの聖人を記念した壁龕(へきがん)があり、蔡佳葳(Tsai Charwei)氏はその中で聖女ウルスラを記念した壁龕を創作のインスピレーションとし、またその対象としています。

ウルスラは敬虔なキリスト教徒です。自らをキリストに捧げることを父親に反対され、一万一千名の処女を引き連れパリからローマへ逃亡しました。しかし不幸なことに悪人に暴行を受け命を落としてしまいます。後世の人々はウルスラの忠実な信仰を記念し、彼女の遺骨を壁龕に埋め、現在でも偲んでいます。

蔡佳葳(Tsai Charwei)氏はアメリカの女性現代アーティスト、イライアン・スカリーの文章「苦しみの身体」をバラの花びらに書き綴り、ウルスラの遺物の前に捧げました。一枚一枚の花びらはウルスラと一万一千名の殉難者が受けた苦難を表し、バラの花びらに書き綴ることで女性の脆さを際立たせています。三ヵ月後、花びらは枯れて行きまたそれと同時に考え方も時間と共に色褪せていくものです。

シェア